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何百年もの間、時の流れと共に変わり続けてきたタロット。多種多様な絵柄の中には、時代の空気や人々の世界観が封じ込められている。占いやオカルトだけではないタロットの神秘のベールの奥へ、歴史的、図像学的観点から迫る。
伊泉 龍一

タロット大全―歴史から図像まで

タロット大全―歴史から図像まで 人気ランキング : 51942位
定価 : ¥ 4,725
販売元 : 紀伊國屋書店
発売日 : 2004-08
発送可能時期 : 通常24時間以内に発送
価格 : ¥ 4,725
「大全」の名にふさわしい決定版!

 最近、同著者による『数秘術の世界』を読んで面白かったので、こちらも買いました。予想をはるかに上回る充実の内容と面白さでした。
 分厚い本ではありますが、著者のややシニカルかつ、ところどころユーモアのある語り口が、読み物としての面白さを高めているので、意外にすらすらと読むことができます。すでに他のレヴューアーの方々が指摘していますが、澁澤龍彦氏や種村季弘氏などの本が昔好きで読んでいたという人にもお勧めです。
 「大全」の名にふさわしく、これまでの日本のタロットに関する本をすべて足しても、この本の情報量にはかないません。したがって、ちょっと高めのこの値段も、何冊も他のタロットの本を買うことを考えたら、むしろ安いぐらいだと言えるでしょう。タロットに興味があって読書好き、という方ならば買って損はしない一冊です。

この一冊で必要充分でしょう。

歴史から占い方まで、貴重な図版を豊富に使用した良書だと思います。
極めて客観的な内容ですので、オカルト本的な要素はほとんど無く、むしろヨーロッパ文化史の資料書的な意味合いが強い本です。それでいて、各カードの解釈の仕方も豊富に取り上げられ、タロットの入門書としては必要十分かと思います。

「美しい幻影」としてのタロット?

いわばタロットの「全史」の試み、その情報量の多さにはすごいものがある。
著者は最初に、タロットへの今の日本での関心が、いわば精神世界系とそうではないものとに分けられると言っている。著者の意図は、初めはただの美しいプレイングカードにすぎなかったものが、精神世界的意味を付与されていく歴史を「壮大なる幻想のドラマ」として描き出そうというところにあるようにみえる。そして、ゴールデンドーンのオカルティズムから、現代アメリカに至って、ニューエイジ的な自己探求のツールとして深層心理的な解釈が全盛となっている状況までをあとづけていく。こういった大まかな流れが日本語で書かれたのは初めてのことだ。
この本は、とてもオカルトに興味を持っているようだが、実はオカルト、あるいはサイキックな現象などをまったく信じていない人によって書かれているなあ、と思える。その外側に立って美しい幻影の数々を見て楽しんでいるというスタンスである。タロットに高度な精神的意味を求める姿勢をどこかで相対化しようとする意図を感じる。タロットの「神秘」を本気で信じていない人が「タロットに神秘を感じた人々の歴史」を書いた、そんな感じの本である。どうも、現代アメリカで主流になっていて、日本でも広まってきている「精神世界系タロット」に対して距離を取りたいという意図が見え隠れするように思う。もしかすると著者こそ、もっとも手ごわい反オカルティストかもしれない。
著者は学者ではないが学者的な本である。参考文献としての価値は大きい。タロットについての知識を得るには必須の文献である。ただ、「今ここで出ている一枚のカードに何を読み取るか」ということだけにフォーカスしようとするタイプの人には、こうした情報や知識はほとんど必要ないものだろう。

タロット研究の大作

歴史的な面からも調査、考察しているとてもくわしくかかれた本です。
多くの文献にあたった跡があり、タロットの実像に迫ろうとしています。
タロットのまとまった著作としては海外のものしかなかったところに
この大作が日本からでるとは、なかなかのものですね。
普通のタロット本で書かれていることとは異なった結構面白い事実が
書かれています。
タロットに興味がある人、必見です。

これ一冊でふつうのタロット本の何冊分もの価値が!

日本ではこれまで未紹介だったタロットを中心とした図版も多数載っていて、とても資料的価値の高い本です。ところで、タロット好きの人は、「ライダー・ウェイト版」の作者として有名なアーサー・E・ウェイトが、セカンド・タロットを作っていたなんてこれまで知っていました? なんとその図版も出ています!
また、タロットの歴史を論じたところでは、かつて澁澤龍彦氏や、種村季弘氏が紹介したヨーロッパでのオカルトに関するエッセイを、より具体的かつ詳細にしたような話も。錬金術、カバラ、薔薇十字団、メスメリズム、神智学……などその手のオカルト系の話が好きな人ならば、タロット・ファンではなくても面白く読めるはずです。ただ本書を読むかぎり、著者自身はあまりオカルト好きではなく、そういったことには距離を開けているようにも思えましたが。
 なにはともあれ、今後、タロットについてなにかを語る際には、この本を避けて通ることはできないのではないでしょうか。値段は少し高いですが、日本で出ているふつうのタロット本を束にしても勝てないだけの情報量が盛り込まれているので、買って損はしない一冊です。

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